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「丸山ワクチンに関心があるけれど、具体的な特徴や費用が分からない」「手続きについて知りたい」 そう考えている方もいるかもしれません。

丸山ワクチンは有償治験薬として提供されており、標準治療との併用によってQOL(生活の質)の維持を目指す治療法の一つです。 この記事では、丸山ワクチンの概要や費用、そして治療を開始するために必要な手続きの流れについて、客観的な事実に基づいて解説します。

丸山ワクチンの概要と期待される3つの役割

丸山ワクチン(一般名:結核菌体抽出物質、SSM)は、1944年に皮膚結核の治療薬として開発されました。その後、がん患者への投与において延命効果や症状改善が見られたことから、がん治療への応用研究が進められてきました。

丸山ワクチンの最大の特徴は、がん細胞を直接攻撃して死滅させるのではなく、患者さん自身の免疫力を高めることで、がんの増殖を抑制しようとする「免疫療法」の一種である点です。ここでは、丸山ワクチンに期待されている主な3つの役割について解説します。

1. 長期生存への期待:がんとの共存を目指すアプローチ

一般的な抗がん剤治療が、がん細胞を叩くことを主目的としているのに対し、丸山ワクチンは「がんとの共存」を目指します。体内の免疫系(特に樹状細胞やマクロファージ、リンパ球など)を活性化させ、がんを取り巻く環境(間質)に働きかけることで、がん細胞の増殖を封じ込めようとするアプローチです。

この作用により、たとえがんが体内に残っていたとしても、その進行を遅らせ、結果として長期生存を目指すことが期待されています。実際に、長期間にわたり丸山ワクチンを使用しながら、日常生活を送っている患者さんの事例も報告されています。

2. 副作用対策としての併用:標準治療をサポート

丸山ワクチンは、手術、抗がん剤、放射線治療といった「標準治療」を否定するものではありません。むしろ、これらの治療と併用することで、その効果を補完し、治療全体の質を高めることが期待されています。

特に注目されているのが、標準治療に伴う副作用の軽減です。抗がん剤や放射線治療は、がん細胞だけでなく正常な細胞にもダメージを与えるため、白血球減少などの副作用が生じることがあります。

丸山ワクチンには、白血球の減少を抑える作用や、免疫機能の回復を助ける作用があると考えられており、標準治療を予定通り継続するためのサポーターとしての役割も果たします。

3. QOL(生活の質)への影響:痛みや体調の安定

進行したがん患者さんにとって、痛みや食欲不振、倦怠感といった症状は、生活の質(QOL)を大きく損なう要因となります。丸山ワクチンを使用している患者さんからは、「食欲が出てきた」「痛みが和らいだ」「顔色が良くなった」といった自覚症状の改善が多く報告されています。

医学的な「治癒」だけでなく、最期まで人間らしく、穏やかな時間を過ごすこと。そうしたQOLの維持・向上も、丸山ワクチンが目指す重要な目的の一つです。

現在の位置づけと科学的根拠

有償治験薬として提供されている背景

「なぜ一般の薬局や病院で普通に処方されないのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。丸山ワクチンは、現在厚生労働省から正式な抗がん剤としての承認を受けておらず、「有償治験薬」という特殊な位置づけで提供されています。

これは、過去の承認申請において、当時の基準であった「腫瘍縮小効果」だけでは有効性が十分に証明されなかったという経緯があるためです。しかし、安全性には問題がなく、延命効果を示唆するデータもあったことから、「治験薬」として希望する患者さんに提供し続ける道が残されました。現在も日本医科大学付属病院ワクチン療法研究施設を中心に、臨床データの蓄積と研究が続けられています。

丸山ワクチンの費用(1クール9,900円・自由診療)

がんの免疫療法において、丸山ワクチンは薬剤費が治験薬の実費であるため、比較的費用を抑えて続けられることが特徴です。

費用の内訳と入手の流れ

丸山ワクチン(薬剤)は、患者様ご自身で日本医科大学付属病院ワクチン療法研究施設へ申請し、直接購入していただく必要があります。当院では、患者様が持参されたワクチンを保管し、注射を行います。

項目費用(税込)内容
治験薬代(1クール分)9,900円A液・B液のセット(20本入り)※日本医科大学へ直接支払い
自費初診料2,200円当院での初回診療時にかかります。
治験申込書作成料5,500円初回のみ。治験承諾書などの作成費用です。
その後の処置料(1回)1,100円2回目以降、注射を行うごとかかります。

当院での費用は、原則として患者さんからの薬液の持ち込み(自費)となるため、初診時に初診料2,200円治験申込書作成料5,500円がかかります。 2回目以降は、1回につき1,100円(税抜1,000円)となります。

1クールは20本で、通常は1日おきに週3回注射するため、約40日分となります。薬剤費だけで見れば1ヶ月あたり7,500円程度の実費となります。

これ以外にかかる費用としては、以下のものがあります。

  • 初診料・再診料: ワクチン療法研究施設(日本医科大学)を受診する際にかかります。

費用の仕組みについて

丸山ワクチンの薬剤費は、営利を目的としない「治験薬」としての実費が請求されています。

多くの自由診療の免疫療法が高額になりがちな中で、経済的な負担を抑えながら長期的に継続できる点は、患者さんやご家族にとって検討しやすい要素の一つと言えるでしょう。

公的医療保険の適用と医療費控除

丸山ワクチンの薬剤費自体には、健康保険などの公的医療保険は適用されません。全額自己負担となります。

ただし、協力医で注射を受ける際の「再診料」や「注射手技料」については、医師の判断や治療方針によっては保険診療の範囲内で行われる場合もあります。これは受診する医療機関によって対応が異なるため、事前に確認することをおすすめします。

なお、支払った費用は確定申告の際に「医療費控除」の対象として認められる場合があります。領収書は必ず大切に保管しておいてください。

副作用とリスクについて

どのような治療法にも副作用やリスクは存在します。丸山ワクチンは副作用が少ないと言われていますが、ゼロではありません。

主な副作用(発赤、掻痒感、微熱など)

これまでに報告されている主な副作用は以下の通りです。

  • 注射部位の反応: 注射した場所が赤く腫れたり(発赤)、硬くなったり(硬結)、かゆみ(掻痒感)が出ることがあります。
  • 全身症状: 稀に微熱が出ることがあります。

これらの症状の多くは一過性のもので、数日で治まることがほとんどです。重篤な副作用の報告は極めて稀であり、高齢者や体力が低下している方でも比較的安心して使用できる薬剤とされています。

使用上の注意点と禁忌

丸山ワクチンの成分に対して過敏症(アレルギー反応)を起こしたことがある方は使用できません。また、結核菌由来の製剤であるため、結核の既往がある方や、現在結核に感染している疑いがある方は、慎重な判断が必要です。必ず医師に相談してください。

丸山ワクチンに関するよくある質問

現在の承認状況はどうなっていますか?

前述の通り、現在は「有償治験薬」という扱いであり、一般の医薬品としては未承認です。日本医科大学付属病院ワクチン療法研究施設を通じて、治験に参加するという形式で提供されています。

どのようながん種で使用されていますか?

丸山ワクチンは、特定のがんの種類に限らず使用されています。胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、膵臓がんなど、固形がんを中心に幅広いがん種で投与が行われています。また、病期(ステージ)に関わらず使用可能です。

併用できない治療法はありますか?

基本的には、手術、抗がん剤、放射線治療といった標準治療との併用が推奨されており、併用による悪影響は報告されていません。ただし、他の免疫療法など特殊な治療を受けている場合は、相互作用の可能性も含めて主治医とよく相談する必要があります。

当院にて治療ご希望の方へ

当院では、患者さんの「諦めたくない」という想いに寄り添い、丸山ワクチンの接種に対応しております。主治医からの紹介状をお持ちの方、あるいはセカンドオピニオンとして検討されている方のご相談を受け付けています。

診療の流れと予約方法

丸山ワクチンの開始には、まず現在の病状を正確に把握し、適応があるかを判断する必要があります。当院は完全予約制となっておりますので、お電話またはWeb予約フォームより「丸山ワクチンの相談」とお伝えの上、ご予約ください。

ご持参いただくもの(紹介状・治験承諾書など)

初回受診時には、以下のものをご持参ください。

  1. 健康保険証
  2. 診療情報提供書(紹介状): ※可能であればご持参ください。現在治療を受けている主治医からの経過説明が記載されたもの。画像データ(CTやMRIなど)や血液検査データがあると、よりスムーズです。
  3. 丸山ワクチンに関する書類(お持ちの場合): すでに日本医科大学から書類を取り寄せている場合は、治験承諾書などをご持参ください。

※当院は「協力医」として、患者様が入手された丸山ワクチンの注射(投与)を担当します。薬剤の購入手続き自体は、患者様ご自身で日本医科大学と行っていただく必要がありますが、enいたします。

※主治医に丸山ワクチンの使用を断られた場合でも、当院で診察の上、引き受けが可能かどうかを判断させていただきます。

遠方からのご相談について

遠方にお住まいで、頻繁な通院が難しい場合でもご相談ください。初回および定期的な診察は必要ですが、日々の注射については、ご自宅近くの医療機関を紹介したり、場合によっては自己注射の指導を行ったりするなど、継続可能な方法を一緒に検討いたします。

まとめ:QOL維持を目指す選択肢の一つとして

丸山ワクチンは、決して「魔法の薬」ではありません。しかし、標準治療の限界を感じている方や、副作用に苦しむ方にとって、QOLを維持しながら治療を続けるための有力な選択肢の一つになり得ます。

  • 特徴: 自身の免疫力を高め、がんとの共存を目指す。
  • 費用: 1クール9,900円(薬剤費)の実費負担のみ。
  • 手続き: 医師の承諾が必要だが、協力医との連携で開始可能。

治療の選択に迷われている方は、一人で悩まずにまずはご相談ください。納得のいく治療方針を、一緒に探していきましょう。

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