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よろずクリニック式樹状細胞療法の独自の技術

従来型のDCワクチンとは本質的に異なる三重の強化戦略により、進行がんや再発がんに対しても高い治療効果が期待できるプレシジョン型がん免疫療法です。内因性アジュバントによる樹状細胞活性化培養法、ペプチベータ抗原、ベセルナクリーム併用による局所免疫活性化という独自のアプローチにより、患者様の免疫系全体を総合的に活性化し、その力を最大限に引き出します。

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治療の三本柱

近年の免疫学研究の知見に基づいた三つの独自技術を統合

よろずクリニック式樹状細胞療法は、近年の免疫学研究に基づいた三つの独自技術を統合し、がん細胞に対する強力かつ持続的な免疫応答を実現します。それぞれの技術が相互に作用し合い、従来の治療法では難しかった進行がんや再発がんにも対応可能な治療システムを構築しています。

内因性アジュバント × DC活性化培養法

免疫アジュバント核酸を用いた独自の樹状細胞培養技術(特許技術)により、共刺激分子の発現増加、抗腫瘍性サイトカイン産生の向上、抗原提示効率の改善を実現します。

ペプチベータ(peptiβ)

免疫原性の高い改良型がん抗原ペプチドを採用。HLAに最適化されたマルチエピトープ設計が可能で、多様なが
ん種に対応します。患者様一人ひとりに最適な抗原提示を実現します。

免疫系の総合的活性化

当樹状細胞療法が、自然免疫と獲得免疫を効果的に連携させ、早期から免疫系全体を強力に活性化します。これに
より、『1クールで長期的な免疫を育てる』という治療概念に基づいた、持続的かつ包括的な免疫応答を誘導します。

内因性アジュバント×DC活性化培養法の特徴

免疫アジュバント核酸を用いた独自の勘状細胞培養技術により、免疫細胞を強力に活性化し、がんとの戦いをサボートします。この特許技術は、従来の培養法と比較して効率的な活性化を実現し、患者様の治療成績に大きく貢献します。

  1. 共刺激分子の発現増加
    勘状細胞表面の共刺激分子(CD80/CD86)の発現が著しく増加し、免疫細胞への情報提示と活性化スイッチ機能を強化します。
  2. 抗腫瘍性サイトカイン産生向上
    1L-12やTNF-aなどの抗腫瘍性サイトカイン産生が従来の数倍に向上し、全身のがん攻撃力を高めます。
  3. 抗原提示効率の改善
    抗原提示効率が飛躍的に改善され、がん特異的CTL(キラーT細胞)の誘導率が向上し、強力な免疫応答が期待できます。
  4. 免疫抑制経路の逆制御
    複数の免疫抑制経路を解除し、免疫細胞が機能しにくい「免疫砂漠」と呼ばれるがんにも、免疫活性化による反応性をもたらします。

ペプチベータ(peptiβ)による個別化がん抗原

当院で使用するがん抗原は、がん細胞が持つ多種多様な抗原を効率的に提示し、患者様の免疫系を強力に活性化するために開発された、ミルテニイ・バイオテック社(Miltenyi Biotec:ドイツ)が提供するPepTivator®(ペプティベータ)を使用しています。

従来型がん抗原ペプチドペプチベータ(peptiβ)
・特定のHLA型に限定されることが多い
・提示される抗原エピトープの種類が少ない
・免疫原性が比較的低い場合がある
・がん細胞の多様性に対応しにくい
・HLAに最適化されたマルチエピトープ設計
・免疫原性の高い改良型がん抗原ペプチド
・多様ながん種や患者のHLA型に対応
・より広範囲な免疫応答を誘導

がん種別の個別化抗原選択戦略

よろずクリニックでは、患者様一人ひとりのがん種と特性に基づいて最適ながん抗原(PepTivator®)を個別に選択します。この精密ながん抗原選択は、免疫細胞ががん細胞を効率的に認識し、強力な免疫応答を誘導するために不可欠です。

肺がんMAGE-A3, NY-ESO-1, WT1
乳がんHER2, MUC1, CEA
大腸がんCEA, MAGE-A4, WT1
膵臓がんWT1, MUC1, KRAS
前立腺がんPSA, PSMA, PAP
悪性黒色腫MAGE-A3, NY-ESO-1, gp100
卵巣がんWT1, MUC1, HER2
その他のがん種ネオアンチゲン解析による個別対応
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この個別化されたアプローチにより、患者様のがん細胞が発現する特定の抗原を標的とすることで、免疫応答の有効性を最大限に高め、より効果的な治療成果を目指します。

従来型DC療法との比較

従来の免疫療法を大きく発展させた次世代型治療

よろずクリニック式樹状細胞療法は、「AMP活性化」「ペプチベータ抗原」「免疫系総合活性化」の三本柱により、従来の免疫療法を大きく発展させた次世代型治療です。以下の比較表から、その優位性が明確にご理解いただけます。

項目従来型DC療法よろずクリニック式DC療法
抗原提示能力中程度内因性アジュバントにより最大化
抗原の質標準ペプチド改良型ぺプチベータ使用
免疫系起動遅延型強力な免疫系活性化
副作用低い(だが奏効も限定)安全性維持しつつ高奏効
再発予防不確実メモリーT細胞誘導により長期効果
がん種対応限定的ネオアンチゲン含め広範囲に対応可

がん細胞の代謝特性:ワールブルグ効果

がん細胞は、酸素が十分に存在する環境下でも、解糖系を優先する特異な代謝経路を持っています。この現象は「ワールブルグ効果」と呼ばれ、細胞の急速な増殖を可能にすることで知られています。
この代謝特性により、がん細胞は効率よりも速さを重視し、核酸・脂質・アミノ酸などの増殖に必要な材料を供給することで、微小環境での優位性を確立しています。

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乳酸蓄積と腫瘍微小環境の酸性化

がん細胞は急速な増殖のために大量の乳酸を産生し、これを腫瘍の外部へ排出します。この乳酸の蓄積により、腫瘍微小環境(TME)のpHは6.0〜6.5まで低下します。未熟な血管構造のため乳酸や水素イオンがクリアされにくく、局所の酸性化が進行します。この酸性環境は、免疫細胞の機能に深刻な悪影響を及ぼし、がんの免疫逃避を助長します。

免疫細胞機能の抑制T細胞やNK細胞の腫瘍組織への遊走や活性が著しく抑制されます。
サイトカイン産生低下IFN-γ、IL-2などの抗腫瘍性サイトカインの産生が低下し、がんへの攻撃力が弱まります。
免疫抑制細胞の優勢化免疫を抑制する制御性T細胞(Treg)やM2マクロファージが優勢化し、免疫反応がさらに抑えられます。

エンドキサン(サイクロホスファミド)のメトロノーム療法

当院の樹状細胞療法では、投与開始前の2週間、低用量のエンドキサン(サイクロホスファミド)を用いたメトロノーム療法を併用します。このアプローチは、がん患者様の免疫抑制状態を改善し、樹状細胞療法の効果を最大限に引き出すために極めて重要です。

1.免疫抑制細胞の抑制

メトロノーム療法は、がん免疫を抑制する制御性T細胞(Treg)や骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)を低用量で選択的に抑制します。これにより、免疫系ががん細胞を攻撃しやすい環境を整えます。

2.免疫応答の改善

免疫抑制環境が解除されることで、樹状細胞が提示するがん抗原に対するT細胞の応答性が向上します。結果として、より強力で持続的な抗腫瘍免疫が誘導されるようになります。

3.治療効果の最大化

樹状細胞投与前に免疫抑制を解除することで、樹状細胞ワクチンが効果的に作用し、治療の成功率を高めることが期待されます。これは、よろずクリニック式DC療法の重要な前処理ステップです。

がん細胞微小環境の最適化と代謝調節

体質アルカリ化による細胞微小環境の改善

がん細胞は、低酸素で酸性の微小環境を好むことが知られています。当院では、クエン酸や重曹などを用いて体質を弱アルカリ性に保つことで、免疫細胞がより効果的に機能しやすい環境を目指します。ケトン食や糖質制限食も重要な要素です。
このアプローチは、がん細胞の代謝経路を阻害し、免疫療法への反応性を高めることを目的としています。

メトホルミンによるAMPK活性化

糖尿病治療薬として知られるメトホルミンは、細胞内のエネルギーセンサーであるAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)を活性化する作用があります。AMPKの活性化は、がん細胞の増殖抑制、アポトーシス誘導、そしてオートファジー(細胞の自食作用)の促進に寄与すると報告されています。
がんの代謝を標的とすることで、樹状細胞療法との相乗効果が期待できます。

ベセルナクリーム併用による局所免疫活性化

ベセルナクリームとは

・有効成分:イミキモド(Imiquimod)
・TLR7(Toll様受容体7)アゴニストとして作用
・本来は尖圭コンジローマや皮膚がんに保険適用

皮膚塗布の意義

皮膚・皮下には多くの免疫感受細胞が集積しており、外部からの刺激によって局所リンパ節へのT細胞動員が高まります。この特性を活用することで、樹状細胞療法の効果を局所的に増強することができます。

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イミキモドの局所免疫活性化メカニズム

ベセルナクリームの有効成分であるイミキモドは、皮膚局所において複雑かつ効果的な免疫活性化カスケードを引き起こします。このメカニズムを理解することで、樹状細胞療法との相乗効果がより明確になります。

活性化DC + イミキモド塗布の相乗効果

「内因性アジュバント × DC × ペプチベータ」の中枢免疫軸に対し、ベセルナクリームは”末梢局所の点火剤”として機能します。両者の組み合わせにより、中枢と末梢の両輪から免疫系を刺激し、より強力で持続的な抗腫瘍免疫を構築することができます。

項目活性化DC療法べせルナ塗布(TLR7刺激)相乗的な作用
抗原提示高度に最適化DC成熟促進T細胞活性化の効率向上
サイトカイン誘導IL-12、IFN-γなどIFN-α、TNF-α腫瘍微小環境の免疫化
局所炎症誘導なし軽度炎症・免疫細胞動員T細胞浸潤が促進される
投与部位皮下・皮肉表皮・真皮同部位で免疫活性ドミノ効果
目的中枢免疫系刺激局所・初期免疫反応増幅中枢と抹消の両輪刺激

※本治療で使用するエンドキサンおよびベセルナクリーム(イミキモド)は、本治療目的においては国内未承認(他疾患では承認済)であり、当院では医師の判断に基づき国内代理店より入手しています。いずれも同一の性能を有する国内承認医薬品はありません。副作用として、エンドキサンは骨髄抑制等、ベセルナクリームは重度の皮膚障害等が報告されています。

治療の臨床的メリットと費用

臨床的メリット

  1. 投与部位周囲における腫瘍特異的T細胞の誘導効率が上昇
    ベセルナクリームとの併用により、局所でのT細胞活性化が著しく向上します。
  2. がん局所でのT細胞浸潤強化
    腫瘍組織へのT細胞の浸潤が促進され、より効果的にがん細胞を攻撃できます。
  3. 投与後のCTL誘導速度が加速
    キラーT細胞の誘導がより早期に始まり、治療効果の発現が早まります。
  4. がん再発や進行における早期免疫制御能力の向上
    再発予防効果が高まり、長期的な寛解維持が期待できます。

治療費用

樹状細胞培養費
(10回投与分)
330万円(税込)
がん抗原費
ペプチベータ費用
24〜32万円(税込)

※患者様の状態やがん種により、最適な治療プランをご提案いたします。詳細はお問い合わせください。
※本治療は自由診療(全額自己負担)です。

治療の最終目標

患者様の免疫システムそのものを強化し、長期的ながん監視機能を構築する

本治療は、細胞微小環境の改善と長期的な記憶T細胞の誘導を通じて、がんの持続的寛解を維持し、その再発を強力に抑制することを目指します。単にがん細胞を攻撃するだけでなく、患者様の免疫システムそのものを強化し、長期的ながん監視機能を構築することが最終的な目標です。
よろずクリニック式DC療法は、最新の知見に基づいた免疫学研究に基づいたがん治療です。
患者様一人ひとりに最適化された治療を通じて、がんとの戦いを全力でサポートいたします。

1.記憶T細胞の生成

治療により誘導された記憶T細胞が、長期的ながん監視機能を担います。

2.免疫応答の強化

再発時にも迅速かつ強力な免疫応答が可能となります。

3.細胞微小環境の改善

がん細胞が増殖しにくい体内環境を維持します。

4.寛解状態の維持

持続的な寛解と再発抑制を実現します

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