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体質改善を目指すアプローチ、腸内フローラ移植

対症療法ではない治療 腸内フローラ移植(便移植)について

近年、腸内細菌といろいろな疾患との関連が解明されるにつれて注目を浴びてきた便移植ですが、現在は一部の大学病院の臨床試験でしか行われておらず、対応する疾患も限られているのが現状です。
わたくしも普段から数多くの患者さんの相談を受けているうちに腸内細菌へ対する有効なアプローチが、疾患を根本的に治療するうえでもっとも重要だという認識になってきました。
そこで、腸内洗浄などの方法を取り入れていますが、この度、新たなアプローチで腸内フローラ移植を行っている清水真先生と連携をさせていただくことで、非常に効率的な方法で腸内細菌移植を行うことができるようになりました。 当院の腸内フローラ移植は、従来の臨床試験で行われている便移植とは方法が異なるため、あえて腸内フローラ移植と記載しています。

特徴

  1. 腸内フローラバンクに登録されている複数のドナーからそれぞれの患者さん個人の腸内フローラバランスを調べ、それに適した菌液をブレンドし生成したものを提供します。
  2. 菌液は提携先研究機関で開発された特殊なものを用いることで生理食塩水では不可能だった腸内フローラの定着を促すことが期待されています。

腸内フローラを襲う異変

人間の生活は、この100年ほどで人類史上ほかに類を見ないほど大きく変化し、私たちが手に入れた便利さや快適さは、腸内細菌たちとの関係に意図せぬ影を落としている可能性があることがわかってきました。

腸内細菌が関与していると思われる疾患が適応

  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • アトピー性皮膚炎
  • うつ病
  • 便秘(リーキーガット症候群含む)
  • がん
  • 膠原病
  • パーキンソン病など

腸内細菌の働き

  • 基礎代謝を向上させたり、消化吸収を助けたりすることで肥満を防ぐ
  • 免疫力を上げる
  • 肌を若返らせる
  • がん、糖尿病、高血圧などの生活習慣病を予防する
  • アトピー、アレルギーを抑える
  • うつ症状を改善する

現在わかっているだけでも上記のような働きが確認されています。
この他にもまだまだ研究はすすんでおり、人間の健康長寿には腸内細菌が欠かせない要素であることがわかっています。

腸内フローラの状態が良い

腸内フローラの状態が悪い

腸内細菌(叢)移植の流れ

当医院は、「一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会」(https://fmt-japan.org/)に所属しております。
NanoGAS®-FMT法での移植の流れをご説明します。
患者さんのご希望や状態によって、流れが前後する場合がございます。詳しくは当医院へご相談ください。

1. ご予約・診察

移植を検討されている患者さんは、当医院までご相談ください。(別途診察料がかかることをご了承ください)
患者さんやご家族にご納得いただいた上で移植を受けていただくことを大切にしています。
患者さんやご家族に、移植についてより理解していただくこと、医師や看護師が患者さんやご家族から直接お話を聞かせていただくことは、よりよい診療につながると考えています。

2. 腸内フローラバランス検査

腸内フローラバランス検査とは、次世代シーケンサーという最新の遺伝⼦解析装置を⽤いて、糞便中に含まれる微⽣物の遺伝情報(16SrRNA遺伝⼦)が含まれる箇所の塩基配列を読み取り、菌群分類データベースと照らし合わせることで、主に腸管内に生息する菌種を推定する方法です。
この腸内フローラバランス検査は、患者さんの健康状態を医学的に診断するものではありませんが、移植の前後にお受けいただくことで、お一人おひとりの状態に合わせた移植計画を立てています。
なお、事前にオンライン問診票のご入力をお願いしております。

3. 薬物投与

移植をするために事前の抗生物質の服用はありません。患者さんの負担が少ない方法です。
(抗生物質を一定期間服用すると、ご自身の腸内フローラの多様性を損なわれる可能性があります)

4. ドナー選定(血縁の有無、疾患別)

【血縁の有無】
国内で唯一⺠間が運営する、【腸内細菌(叢)の移植のためのドナーバンク】(Japanbiome)に所属するドナーの便を使用します。所属するドナーは、定期的に徹底した検査を受け、提供された便は冷凍保存されます。次回の検査に合格して初めて前回の検査以降提供された冷凍便を使用します。

【疾患別】
様々な疾患の移植実績によって、患者さんの腸内フローラバランス検査の結果とオンライン問診票の内容と、医師による問診に基づいて、お一人おひとり個別に菌液を調整しています。

5. 精製方法(溶媒、濃度)

【溶媒】
腸内細菌(叢)の移植においては、NanoGAS®水の微細な泡の特性を利用することで、本来ならIgA(免疫グロブリンA)等の自己免疫機能に阻まれてうまく棲み着くことができない、とされていた他人の腸内細菌を効果的に定着させることが実現しました。

【濃度】
患者さんの免疫力が、外からやってきた他人の腸内細菌とご自身の腸内細菌との違いを認識する際に、一時的に混乱してしまう現象を軽減するため、複数回の移植を短期間で計画的に行います。徐々に濃度を上げ、効果的な定着を図るのも特徴の一つです。

6. 投与方法

内視鏡を使わずカテーテル注腸で行うため、事前の腸内洗浄や食事制限の必要がなく負担が少ない方法です。

<ご注意ください>

  • 移植後、処置室を出られてからガスをもよおした場合、必ずトイレの便座でガスの処理をお願いします。
  • 菌を保持していた液体がガスと一緒に出ますが、菌は腸管内に定着しておりますので、ご安心ください。
7. 回数・頻度

その後、数回の移植を行います。NanoGAS®-FMT法は、ご自身の免疫力が新しいフローラバランスを「異物」だと認識してしまわないよう、濃度勾配をつけて行います。
まずは最初の1クールを3〜6回としてご案内しておりますが、疾病の種類、罹患年数、進行状態などにより大きく変動します。
また、患者さんの体質や生活習慣などによっても個人差があります。最初の診察で大まかな計画方針をお伝えし、その後は移植をしながら様子を診ていきます。

8. 再検査・経過観察

移植期間中や移植終了後、腸内フローラバランスを確認するための再検査につきましては、主治医とご相談ください。

動画で分かる腸内細菌(叢)移植の流れ

※こちらの動画は、移植を検討されている患者様向けに手順を簡易に説明するために、同意の上で撮影しております。医療機関側の詳細な安全管理ルールにつきましては倫理委員会の規定に沿って移植処置を行っております。

移植について詳しくはこちら
当医院は「一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会」に所属しております。

腸内フローラ移植の副作用

腸内フローラ移植は、副作用の少ない治療法として期待されています。
ただし、便の状態については、稀に便秘ぎみの方が軟便になった、下痢のぎみ方が便が固くなった、などのご意見がございます。また、潰瘍性大腸炎などの一部の腸疾患では、移植のタイミングによって出血を伴う場合があります。
アトピー・アレルギーは初期移植のリバウンド現象でかゆみなどが出る場合がありますが、その後の移植を期間をあけずに行うことで軽減することを目指します。

より詳しくはこちらをご参照ください。

「一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会」(https://fmt-japan.org/)に所属しております。
当院の腸内フローラ移植は、研究会から移植菌液の供給を受け、移植方法も統一しています。

腸内フローラ移植の症例

腸内フローラの変化を確認しています

当院は35年の研究実績をもつシンバイオシス(腸内細菌研究所) と提携することで、移植前の腸内フローラの確認→必要な菌液の生成→移植後の腸内フローラの変化を最新の機器を用いて確認しています。
以下、まことクリニックでの疾患と移植後の変化です。

症例1:潰瘍性大腸炎

  • 移植メモ
移植前4〜5回/日の軟便、出血なし
2週間で3回の移植
移植後2〜3回/日のバナナ状の便
  • 移植のポイント
  1. 抗酸化力を保持した独自の移植菌液
  2. ステロイドを含む標準治療との併用
  3. 日和見菌の善玉菌

症例2:アトピー性皮膚炎

  • 移植メモ
移植前顔や手足、関節、首、背中など広範囲のかゆみと浸出液に20年以上苦しむ
3ケ月で5回の移植、食事制限
移植後かゆみ、浸出液が治まる。2年以上再発なし。
  • 移植のポイント
  1. 顔や手足の皮膚バリア再構築
  2. 免疫系の過剰反応緩和
  3. 抗原に寛容な腸内細菌を持つドナー

症例3:糖尿病(Ⅱ型)

  • 移植メモ
移植前インスリン自己注射・内服 HbA1c8.2%、血清クレアチニン4.40mg/dl
7回の移植
移植後HbA1c6.6%、血清クレアチニン3.82mg/dl 月1回移植継続中
  • 移植のポイント
  1. プロボテラ属優位のバランスから、バクテロイデス属優位のバランス
  2. 海洋性タンパクを最初に食べるという、食べ順の食事指導

症例4:うつ病

  • 移植メモ
移植前うつ症状に加え、不眠、めまい、偏頭痛、吐き気、耳鳴り、便秘、自傷行為
3日で6回の移植
移植後顔色の改善、口角の上昇手足の冷感がなくなり、視界が明るく
  • 移植のポイント
  1. その90%が腸内にあるセロトニンの分泌を増加させる
  2. バクテロイデス属の比率を上昇

難病の対症療法ではなく根本的治療を

標準治療はエビデンスの確立された治療であり非常に重要ですが、その中に有効な選択肢が限られるとき、 保険外診療でもより良いものを取り入れるというよろずクリニックの方針です。
世界でも類を見ない効率的アプローチを行う腸内フローラ移植を導入しています。
難病でお困りの方は一度ご相談ください。

痛くない、すっきり!腸内洗浄

腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)とは

腸内環境は食生活を含む生活習慣に左右され、加齢によって次第に悪くなります。この腸内環境を理想の状態に保つことが、腸の健康だけでなく老化防止やアレルギー改善など体の健康維持にとても重要なことが次々と明らかにされています。 コロンハイドロセラピーは、この腸内環境を整える療法として特に欧米では一般的行われている療法です。腸内の汚れを洗浄することで、腸壁細胞と腸内細菌叢のバランスを整え、腸壁からの栄養・水分の吸収を活発にします。腸内環境改善により、悪玉細菌叢の異常増殖に起因する有害物質の発生を防止、老化や病気の防止、肌の改善もみられるようになります。簡単にいうと腸内フローラ(腸内細菌叢)を整える治療です。 長期間腸内へこびりついている老廃物や宿便を除去するので増えすぎた悪玉菌を排除し善玉菌が育ちやすい腸内環境を作ります。

殺菌した温水を使用して腸内を洗浄するシステムで、マッサージと洗浄を繰り返します。苦痛もなくリラックスして行える安全な治療です。治療は、直腸から盲腸までの大腸全体を洗浄致します。 便秘は、昔から健康と美容の大敵と云われます。腸壁にこびりついた宿便を排泄することで、腸と身体の健全化につながり、美容にも効果が期待できます。

腸内洗浄による効果

  • 便秘や下痢の改善
  • 大量の温水で大腸に直接刺激を与えるので、動きの鈍い腸の働きが活性化される。
  • 腸の中に長期間こびりついていた老廃物や宿便を除去するので、内臓への負担が改善。
  • 腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)中のマッサージにより、溜まったガスも排泄。腹部、腰部の不快感が解消。
  • 下剤の常用によって硬くなった腸の内側が再び柔らかに。
  • 増えすぎた悪玉菌も洗い流すので、善玉菌が育ちやすい環境に改善。
  • 肌荒れ・くすみの改善
  • 新陳代謝が改善するので、肌のシミ・にきび・肌荒れなどのトラブル改善、老化予防に。性化される。
  • 疲労回復、体調・体質改善
  • 便秘と深く関わるといわれる大腸ガン・乳ガンの発生率を下げる助けに。
  • 体重コントロール・ダイエット
  • 食事量の制限により起こる便秘も改善。ダイエットにもより効果的。生率を下げる助けに。

こんな方におすすめ!

  • 慢性的便秘の方

宿便を取り除き腸蠕動を改善させるため、薬に頼らず排便できるようになることがあります。
アトピーや気管支ぜんそく、花粉症の方、ほとんどのアレルギー疾患は腸内細菌の乱れによることがわかってきました。善玉菌を増えやすい状態へ改善するためアレルギー症状が改善します。

  • 肌荒れ、吹き出物などでお困りの方

老廃物や腐敗ガスを除去することで腸内環境を整え腸管壁からの血液やリンパ中への有害物質の侵入を防ぐことで肌荒れの改善効果があります。

事前に気を付けること

  1. セラピー2時間前までにお食事を済ませるようにしてください。
  2. 当日は排便をしてからお越しください(排便をされていないと、有効的な腸内洗浄ができない可能性があります)

副作用・リスク・禁忌項目

  • 腸内洗浄の副作用、リスク

腹痛、悪心、嘔吐、腹部膨満感を感じることがございます。

  • 腸内洗浄の禁忌項目
  1. 妊娠中の方
  2. 産後1年未満の方
  3. 重度の肝臓病、心臓病、腎臓病の方
  4. 重度の内・外痔核の方
  5. 血圧160以上の方
  6. そけい部ヘルニアの方
  7. B型C型肝炎キャリアの方
  8. 生理中の方
  9. 1年以内に腹部の手術を受けられた方
  10. 6か月以内に内視鏡手術を受けられた方
  11. 当日体温が37.5度以上の方
  12. 脱肛、フィスティル,腸内癒着の方
  13. 70歳以上の方

※最終的には医師が判断致しますので、ご不明な点がある方はお電話ください。

料金案内

腸内フローラ移植「腸内細菌(叢)の移植」は、すべて自費診療です。
疾病や状態、罹患期間によって移植回数・頻度などが異なります。
患者様お一人お一人の移植計画をご提案します。

※腸内フローラ移植(糞便微生物移植)は全国の大学病院などの施設で一部の疾患に対して先進医療Bを実施中の方法です。腸内フローラ移植臨床研究会は、一部の疾患において臨床研究を開始しています。
腸内洗浄1回 13,500円(税別)

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